※番外編ブログ※ story 3 『スタートライン』

※このブログは、「キセキの杜 ジョブステーション」で働く、生活支援員Nの物語です。

 

障害は何処にあるか。
障害はその方の外側にある。

「だから、障害者と健常者の間に境界線は引きたくない」

前回のblogで、それまでに抱いていた私の考え方を書かせてもらった。
もちろん、そう感じながら障害を持つ方と交友していたのは事実。

だけど……。

このコロナ渦の中、脳出血で倒れた師は、動かなくなった右手右足、
思うように働かない言語中枢と、たった一人で向き合うことになった。

自分の身体が、突然壊れてしまう。
その現実を受け容れること。そしてそれに立ち向かうこと。

病気や事故で障害を背負い、それまでの生活や自由を理由もなく奪われた方にとっては、
「障害は外側にある」などと言われても、戯言にしか聞こえないと思う。
どれほど凄まじい体験かと思うと、想像をはるかに超え、正直胸が痛い。

障害は、人によって受け入れ度が違う。先天性や後天性の問題もある。
千差万別。一人一人、障害を負う過程も違う。

障害がもし外側にあるならば、環境改善のみに力を入れればいい。
でもそれ以前に、まずは自己が負った障害を受け入れること。
それを乗り越えない限り、障害を「外側」のものだとは思えないだろう。

私が初めて福祉業界の面接に行ったのは、重度訪問介護のお仕事だった。

「顔が気に食わないから帰れ、と言われることもありますよ」

面接官の方が苦笑いしてそう言った。

かと思えば、ひとつひとつの仕事にその都度丁寧にお礼を言う方もいる。
ご自身の障害をしっかり受け入れてる方は介護に対しても抵抗はないが、
そうでない方の中には、常に満たされないまま、我儘な方も多い。

心理的問題は他にもあって、介護する側とされる側、本来は上下関係などないはずなのに、
介護施設だと職員の方が立場が上、訪問介護だと障害者の方が立場が上、
そんな構図になりやすい、とも話されていた。

障害者と健常者の間に境界線がなくなり、双方が対等に、そして協力してより良い生活を確保する為には、
サポートする私達が、まず一人一人の経緯や環境、心の状態を把握した上で、接する必要がある。

その方の心の状態に合わせて、かける言葉や手助けの方法が変わってくる。
障害を「外側」にあるものとして、一緒に立ち向かっていく道は、簡単には作れない。

私の事も知ってもらいたい、などという気持ちは、
友情関係だからこそ許される、単なるエゴにしか過ぎない。
もし本当に人の役に立ちたいのであれば、とにかく相手を良く知る事、ひたすら理解する事だ。

信頼関係はそこから。

無我夢中で見切り発車した私の、本当のスタートラインが、ようやく見えた気がした。

 

(story 3 『展開』へ続く)

 

次回の更新予定は2022/2/14です!

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