※番外編ブログ※ story 4 『展開』

※このブログは、「キセキの杜 ジョブステーション」で働く、生活支援員Nの物語です。

 

story 4 『展開』

就労移行支援事業所に通所する利用者の方が必ず向き合う課題のひとつに、「自分」がある。
自分を知る事は、就職活動の要と言っても過言ではない。

そもそも「自分」という人間を客観視するという行為自体、私たちは普段意識せずに暮らしている。

毎日目が覚めた時に、「自分が自分である」と認識できる不思議を、考えた事があるだろうか。
何を持ってして私は私を「私」だと思うのか。

与えられた名前や立場、経歴。生まれてこれまでに体験した記憶、教育による刷り込み?

今これを書いている私が「N」であるという証明、
そんなふうに書くと変に哲学的で大袈裟に聞こえるかも知れないけれど。

私は誰?と問えば家族は笑う。「あなたはNでしょ?」と。
でも問える人がもし周りにいなかったら、私は私を私に確認するしかない。

私は誰で、そしてどんな人間か。
自分を客観視し、自分の長所短所を冷静に把握できる人は少ない、と私は思う。

応募書類の中で一番大変なのは自己PR欄、と感じる人は少なくない。
単純な経歴は埋められても、自分を言葉で表す、となると途端に行き詰まってしまう。
そんな光景を何度も見てきた。

私自身、福祉業界に転職する中で、改めて自分を振り返ることが多く、
それまでの自分から、少し外れたような気がした。

「あなたが福祉関係?介護?いまいちピンとこない」

私を良く知る方から、そういう言葉ももらった事がある。

でも、やりたい。やるしかない。

訪問介護の面接後、担当責任者は、「是非一緒にお仕事をしてみたいです」と言って下さった。
でも、私の中で何か埋まらないピースの一欠片があるような気がしてならない。

二社目の訪問介護の会社面接でも、どこか引っかかって動かない感覚があった。

「福祉業界は初めてなんでしょう?もっと他の福祉の仕事も見た方が良い。あなたなら見つかると思うんですよ、
その上で、それでも弊社が良いと仰るなら、二次面接へ進めます」

そんな事を言われ、ハッとする。
私は私をきちんと客観視できていない、その事が先方にも伝わっている事。

やりたいこととやれること。

福祉のお仕事はしてみたい。相手を理解し、手助けをしたい。でもその感情だけで動いても、上手くいかない。
自分の適性を知り、携わる仕事に沿わせていく作業をしていかなければ、就職できたとしても長続きはしない。

 

今、通所される利用者の方に、自分を知る為の材料を洗い出してもらう際は、最初から長所・短所ではなく、まず自分の「好きなこと、嫌いなこと」から書き出すようアドバイスしている。

何が長所や短所になるかはその方の主観では決められないし、
それをどう先方に伝えるか、の前に、まず自分を知って欲しいと思うからだ。

私はその時改めて、訪問介護の現場のお仕事が、本当に自分に適しているかを考えた。

コピーライターや広告物制作の仕事を経て、その後は某人材派遣会社の企業勤めを13年。
デスクワークを主として働いてきた自分。家事は全く不得手だったし、興味もなかった。
ところが重度訪問介護はそういった家事を含む見守り作業が主だ。夜勤ももちろんある。

プライベートでどれだけ障害をお持ちの方と交流があったとしても、介護の仕事となると訳が違う。

気持ちがあれば、やりたいことなのだから、どんなに大変でもやれると思った。
けれど、自分を知り自分を活かせる環境に進まなくちゃ、役に立つどころか、逆に迷惑をかけてしまう……。

更なる展開、私はそれまでの面接をいったんお断りし、やりたいこととやれることを見極めた。

自分の持てる資質を存分に活かせる福祉のお仕事は、どういった形態か?
そしてそんな職種が存在するのか?

自分を取り巻く環境や物事は、調べればそれなりに知る事が出来る。
でもその知識は、自分自身への理解があって初めて、有効なものとなる。

「無知」の本来の意味は、物事に対してではなく、自分に対してかも知れない。

まだまだ、歩み始めたばかり。
自分がノックするべき扉は、他にある。

 

 

(story 4 『ノックした扉』へ続く)

 

次回の更新予定は2022/2/28です!

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